2011年の最初の記事は、リンク構築に関する記事にしたいと思います。

Search Engine Journalに投稿されたKristi Hines氏の記事「5 Link Building Predictions for 2011」は2011年にリンク構築を行う上で注意すべきポイントを以下のように6つにまとめています。今回はこのポイントを手掛かりにリンク構築について考えてみます。

2011年のリンク構築に関する予測

  1. キーワードに基づくアンカーテキストの使用が減り、ブランド名の使用が増加する
  2. 量の価値が減じ、質に重点が置かれる
  3. ページランクの価値が減じ、オーソリティに重点が置かれる
  4. ホームページへのリンクが減り、コンテンツへのリンクが増加する
  5. ランキングへの関心が減り、コンバージョンへの関心が増す
  6. Dofollowの必要性が低下し、ソーシャルな言及の必要性が増す

キーワードに基づくアンカーテキストの使用が減り、ブランド名の使用が増加する

ひとつ目の「キーワードに基づくアンカーテキスト」よりも「ブランド名」の重要性が増加するという点に関しては、既に鈴木氏による非常に分かりやすい記事「Googleのアンカーテキスト評価に異変あり?、「”ブランド名”リンクを重視する」 at PubCon」があります。

同記事ではインタビューや考察を通じて「ブランド名」の重要性が高まっていることが指摘されています。

[…]ブランドを含んだリンクの評価が高まっているというのです。

リンクのアンカーテキストには、「商用のキーワードでなくブランド名でのキーワードを含めろ」というのがGreg Boser氏のアドバイスでした。

ブランド名のリンクのほうが自然というのが理由の1つです。

このように、ブランド名の重要性が高まったのは、Googleが実際にブランド名を重視し始めたというより、今まで以上に自然なリンクを見分けられるようになったと考えるべきでしょうか。自然なリンクを集められていれば気にすることはありませんが、頭に入れておくべきポイントだと思います。

量の価値が減じ、質に重点が置かれる

ふたつ目の「量」より「質」というポイントに関して、Hines氏は次のように指摘しています。

Googleは質の低いサイトを削除しようと懸命に取り組んでいるが、その過程で、これら大量の被リンクを失うことにつながるだろう。

リンク構築戦略はいっそう高い質と関連性のあるリンクのチャンスに重点を置くべきで、そうしたリンクが最後まで機能することになる。

確かににわか作りのサイトによって張られた大量のリンクはさまざまな形で効果を失っていくでしょう。これ自体は今までも言われてきたことであり、Hines氏の指摘する通りです。問題はこの「質」がどういうものか、ですね。

ページランクの価値が減じ、オーソリティに重点が置かれる

「質」に関して「関連性」や「信頼度」などが言われますが、何らかの指標があると理解しやすくなります。

有名なのはページランクですね。
その効果やその正確さはともかくとして、ページランクの高いサイトからのリンクはある程度効果のあるものだと考えても良いと思いますが、その細かな変動に一喜一憂することには意味がなくなっています。

Hines氏はこのページランクに代わり、オーソリティが重要性を増しているとしています。

これは先に紹介した鈴木氏の記事でも触れられていることですね。このオーソリティを知る上でひとつの手掛かりを与えてくれるのが、Open Site Explorerで示されるページやドメイン単位のオーソリティです。

とはいえ、このOpen Site Explorerにしても、SEOmozによる独自の分析と計算に基づくものである以上、絶対的な指標とはいえないのが難点です(この点については中山氏の「SEOmozのLinkscape関連メモ[PageAuthority , DomainAuthority , MozRank..]」が参考になります)。

ホームページへのリンクが減り、コンテンツへのリンクが増加する

コンテンツへのリンクの増加はソーシャルブックマークの登場以来、年々そうなっており、Twitterなどがさらにその傾向を強めているように思います。

ブログなどではもちろん当然のことですが、ウェブサイトに対しても、コンテンツへのリンクが多くなると同時にユーザーが生成するコンテンツの増加などもその傾向に拍車をかけそうですね。

ランキングへの関心が減り、コンバージョンへの関心が増す

検索順位からコンバージョンへの関心の推移も既に繰り返しいわれてきたことです。

実際にはSEOがどこまでコミットするか(できるか)によっても左右されますし、順位の上昇しか期待されないことも多いのが現実ですが、少なくとも成約に繋がりにくいキーワードに最適化する無駄を避けるという基本的な部分への取り組みは必要でしょう。

Dofollowの必要性が低下し、ソーシャルな言及の必要性が増す

最後にボーナスとして、Hines氏は「dofollowよりもソーシャルな言及(メンション)が必要となる」としています。この「dofollow」というのは検索エンジンが評価しないとされてきた「nofollow」付きのリンクに対し、通常のリンクを指していう言葉です。ここではソーシャルメディアなどでの言及が「nofollow」付きであっても価値を増してくるという意味で使われています。

先月話題になりましたが、ソーシャルな言及をアルゴリズムに組み込んでいることはGoogleも認めています。この点についてはSEO Japanの記事「GoogleとBingが本当に採用しているソーシャルシグナルとは?」や「Matt Cutts公認、「Twitterのリンクはウェブ検索のランキング要因になっている」」で詳しく書かれているのでご覧になった方も多いのではないでしょうか。

以上、まとまりがなくなってしまい申し訳ないのですが、Kristi Hines氏の記事を手掛かりに、今後のリンク構築に関して私なりに思ったことを書いてみました。6つのポイントはそれぞれ、既に以前から指摘・確認されていたこともあれば、昨年末に話題になったこともありますが、いずれも2011年により重要性を増し、SEOを行う場合には考慮すべきポイントになると思います。

個人的にはソーシャルメディアでの活動や言及がSEOにどのような影響を与えるかに興味がありますし、引き続きSEOとソーシャルメディアの関係などを注意深く見ていけたらと考えています。