GoogleのMatt Cutts氏が3月18日、大規模なゲストブログネットワークにペナルティを科したことをTwitterで明らかにしました。

Cutts氏は以前、自身の投稿したブログ記事「The decay and fall of guest blogging for SEO」で、リンク獲得を目的としたゲストブログに警告していましたが、今回はそれを実行に移したことになります。

Cutts氏自身は明らかにしていませんが、標的となったのはAnn Smarty氏のMyBlogGuest.comです。Smarty氏自身がTwitterでそのことを認めています。

Smarty氏は「MyBlogGuestは(他のプラットフォームと異なり)有料リンクに反対してきたにもかかわらず、Matt Cuttsのチームは我われにペナルティを科すことに決めた」とツイートしていますが、以前Smarty氏は自身のブログの中で有料リンクだけでなく、nofollowにも反対すると宣言していました

MyBlogGuestはnofollowリンクまたは有料のゲストブログ投稿を許可しません(Matt Cutts氏がどういうわけか強制しようとしていますが)。

(Smarty氏には翻訳記事を書くにあたりお世話になったことがあり、今回の件、個人的に今後どうなるか興味があったりもするのですが、)Cutts氏の警告に対して明確に反対の意思を示していたわけですから、ある意味仕方がないことなのかもしれません。Smarty氏自身ツイートの中で「予想していたの?」と聞かれ、「驚いたとはいえない」と返しています。

Googleは3月14日にイタリアとスペインのリンクネットワーク15日にドイツの2つのリンクネットワークに対して制裁を科したばかりでした。Googleの制裁は今後も続いていくと思われます。

2014/3/20追記

Search Engine Journalの記事「Ann Smarty of MyBlogGuest Responds To Google Penalty」でAnn Smarty氏がコメントが掲載されていたので、一部引用して紹介します。

はい、私たちは多くの人が私たちのコミュニティを侵害している問題を自覚し認めています。私たちはコミュニティのメンバーに正しくゲストブログ投稿を行う方法を学ばせることに力を注いできました。私たちは何年も有料リンクや重複コンテンツ問題やリンクファーム等と戦っています。メンバーからいくつか素晴らしい成功体験を得ていますし、常にWebに価値を与えていると信じています。

私たちは「攻撃(今はこれが意味することを理解しています(笑)!)」されて当然なのでしょうか?私はコミュニティに決定させなければなりません。ここまでコミュニティから驚くような支持を受け取っており、これ以上ないくらい感謝しています。

現実的には、Matt Cuttsは私たちをPR合戦に利用しています。より多くの人を怖がらせるために。私たちは最大級のゲストブログのブランドです。別のどこかを攻撃することではこれ以上の宣伝効果は得られないでしょう。

また、TwitterでSmarty氏は「依頼があればブログ記事上のリンクを取り除くことはできますが、nofollowを付けることはない」と主張しています。

今回の件ではSmarty氏を支持する人も少なくなく、ハッシュタグを用いて支援する動きも一部ではあるようですが、海外SEO情報ブログの記事でも触れられているように、MyBlogGuestのトップページに次のような謡い文句があることも事実です(太字は私がつけたものです)。

ゲストブログの利点:

  • 新しい読者へのリーチ
  • ブランド構築
  • ネットワーク
  • サイトに対するリンク構築

私自身このコミュニティを利用したことがあるわけではないので、実際のところ、Googleがペナルティを科すにふさわしいか、やりすぎなのかを的確に判断することは難しいのですが、上でSmarty氏が事実として認めているコミュニティを乱用している人々の存在などの問題があり、nofollowを拒み、かつこうした謳い文句の存在がある以上、なかなかGoogleを翻意させることは難しいのではないでしょうか。

また、先にSmarty氏は「MyBlogGuestの利用者はペナルティの影響を受けないと思うけど、Cutts氏に聞いてみましょう」とツイートしていました。

しかし、実際には利用者のウェブマスターツール上にも警告が届き始めているようです。

さらに間接的にですが、Cutts氏がツイートで「我々がスパム的なリンクネットワークにたいして行動を起こしたとき、ゲスト投稿とホストしているブログ、そのリンクの恩恵を受けているサイト等も含まれる」と回答しています。